言葉紡ぎ

コンサル女子のひとりごと

母と娘の関係性

初めて指先に赤色をまとってみた。
 
 
長い間、赤いネイルが似合っている女性に憧れを抱いてきた。
いつもふざけている友達が赤いマニキュアをしてきた時は急に大人っぽく見えたりもした。
 
そんな憧れを持ちつつも、自分には少し大人っぽすぎる気がして試したことがなかった。
正確には試す勇気がなかったのかもしれない。
母のしつけが厳しく、赤いネイルなんかしたら「やめなさい」と言われるのが目に見えて、怖かったのかもしれない。
 
 
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上述の通り、私はしつけの厳しい母のもとで育ちました。
少しでも汚い言葉遣いをすると「どこでそんな言葉を覚えてきたの」と叱られます。
好き嫌いをしようものなら「食べるまでごちそうさましてはいけません」と怒られます。
 
幼いころの私はいちいち注意されることが窮屈でよく衝突していました。
喧嘩の時に敢えてとびっきり汚い言葉をかけたりして反抗していました。
 
 
私は事情があって中学入学前から母と祖母の3人暮らしでした。
母は私を一人で一人前に育てていくプレッシャー、何かあると義母からいびられるプレッシャーから以前にもまして厳しくしていたのかもしれません。
 
その当時の私は母親の思いを汲めるほど大人ではありませんでした。
しかし今になってどれだけありがたいことだったか、ひしひしと感じます。
 
その成果は人に会う時に存分に発揮されます。
「育ちが良さそう」「お嬢様っぽい」
必ず言われる言葉です。
実際はこんな家庭環境なのにな、と今まではその言葉に反発していました。
 
でも最近になってこれは母が築きあげてくれた財産なのだと気づきました。
「育ちの良さ」は大人になってから目指そうと思うととてつもない努力が必要です。
それが何もせずとも身についているのです。
そう思うと母には感謝しかありません。
私がどれだけ手のかかる子だったかと思うと頭が上がりません。
 
 
母との2人暮らしになって半年あまり。
やっと良好な関係を築けるようになってきました。
 
実は同じものが苦手だっていうことがわかったり、おすすめの化粧品を一緒に使ったり。
以前より確実に2人の間の会話が増えました。
 
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「よく似合ってるじゃない」、その一言が嬉しかった。